医療職の転職を確かめる

看護師の派遣はなぜ禁止?禁止の場所と例外を条文で

本サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。

2026/9/25公開

看護師の派遣が、すべて禁じられているわけではありません。禁じられているのは、病院や診療所、患者の自宅などで看護の仕事をする派遣です。特別養護老人ホームやデイサービスでの看護は、禁止の列挙に入っていません。

禁止は「どこで働くか」で決まる

看護師の派遣が禁じられるのは、次の場所で看護の業務をするときです。病院と診療所(まとめて「病院等」)、助産所、オンライン診療受診施設です。介護の施設では介護老人保健施設と介護医療院、それに患者の自宅(居宅)が入ります。

労働者派遣法4条1項3号が、「政令で定める業務」の派遣を禁じています。根拠になるのは、その政令(労働者派遣法施行令)の2条1項4号です。看護の業務を、働く場所で絞って並べています。

2条1項4号を開く

保健師助産師看護師法第二条、第三条、第五条、第六条及び第三十一条第二項に規定する業務(他の法令の規定により、同条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として行うことができることとされている業務を含み、病院等、助産所、オンライン診療受診施設、介護老人保健施設、介護医療院又は居宅において行われるもの(介護保険法第八条第三項に規定する訪問入浴介護及び同法第八条の二第二項に規定する介護予防訪問入浴介護に係るものを除き、オンライン診療受診施設においては、オンライン診療に係るものに限る。)に限る。)

保健師助産師看護師法の2条・3条・5条・6条は、保健師・助産師・看護師・准看護師がそれぞれどういう人かを決めた条です。4つの資格とも、この禁止の対象になります。看護師の仕事の中身は、保健師助産師看護師法5条の定義にあります。療養上の世話(患者の身の回りの看護)と、診療の補助(医師の指示による処置など)です。

この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。

特別養護老人ホームやデイサービスは、列挙に入っていない

施行令2条1項4号の場所の中に、特別養護老人ホーム・デイサービス(通所介護)・有料老人ホーム・保育所の名前はありません。これらの施設で看護師として働く派遣は、4号の禁止に入っていません。

反対に、介護の施設でも介護老人保健施設(老健)と介護医療院は、禁止の場所に入っています。名前が似ているので、働く施設の種類を確かめます。自宅での業務のうち、訪問入浴介護(介護予防を含む)だけは、かっこの中で禁止から除かれています。訪問看護は患者の自宅(居宅)で看護をする仕事なので、派遣で訪問看護に入ることは4号の禁止の場所に当たります。

気をつけたいのは、施設の中に診療所がある場合です。「病院等」は医療法の病院と診療所のことですが、一部の診療所は外されています。外しているのは労働者派遣法施行規則1条2項で、その6号が特別養護老人ホームの中の診療所です。

老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホームの中に設けられた診療所

施行規則1条2項は、ほかに障害者支援施設・救護施設・更生施設・養護老人ホームの中の診療所なども挙げています。こうした施設の中の診療所は「病院等」に当たらないので、4号の場所からも外れます。

病院でも派遣で働ける3つの場合

病院等での看護でも、紹介予定派遣、休む職員の代わり、へき地のどれかに当たれば派遣が認められます。禁止から外しているのは、施行令2条1項の柱書(号の前の本文)です。

施行令2条1項を開く

法第四条第一項第三号の政令で定める業務は、次に掲げる業務(当該業務について紹介予定派遣をする場合、当該業務に係る労働者派遣が法第四十条の二第一項第四号又は第五号に該当する場合、第一号及び第三号に掲げる業務、第四号に掲げる業務(保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第五条及び第六条に規定する業務並びに診療放射線技師法(昭和二十六年法律第二百二十六号)第二十四条の二に規定する業務及び臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第二十条の二第一項に規定する業務に限る。)並びに第七号に掲げる業務に係る派遣労働者の就業の場所がへき地にある場合並びに第一号に掲げる業務に係る派遣労働者の就業の場所が地域における医療の確保のためには同号に掲げる業務に業として行う労働者派遣により派遣労働者を従事させる必要があると認められるものとして厚生労働省令で定める場所(へき地にあるものを除く。)である場合を除く。)とする。

1つめの紹介予定派遣は、病院に直接雇われることを予定した派遣で、すべての号に効きます。期間は6か月までで、始まる前に面接があります(看護師の紹介予定派遣とは)。

2つめの「法第四十条の二第一項第四号又は第五号」は、病院の職員が休むあいだの代わりの派遣です。労働者派遣法40条の2第1項4号が、産前産後の休業と育児休業の場合を挙げています。

労働者派遣法40条の2第1項4号を開く

当該派遣先に雇用される労働者が労働基準法第六十五条第一項及び第二項の規定により休業し、並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号に規定する育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務に係る労働者派遣

5号は、介護休業などで休む職員の代わりです。どちらも休む職員の業務に就く派遣で、人手が足りないだけの部署に入る派遣は当たりません。

3つめのへき地の例外は、4号のうち保健師助産師看護師法5条・6条の業務、つまり看護師・准看護師の業務に限られます。保健師・助産師としての業務は、へき地の例外に入っていません。へき地の範囲は、厚生労働省令で市町村ごとに決められています(施行令2条2項)。対象は、離島・奄美群島・辺地・振興山村・小笠原諸島・沖縄の離島・過疎地域のどれかを含む市町村です。都道府県ごとの数と調べ方は看護師の派遣ができるへき地の一覧にあります。

30日以内の派遣は、病院等の外なら認められている

30日以内の短い派遣(日雇派遣)は、原則として禁じられています(労働者派遣法35条の4第1項)。ただ、看護師の業務は例外の業務に入っています。ただし、病院等・助産所・介護老人保健施設・介護医療院・患者の自宅などでの業務は、例外から除かれています。

例外の業務を並べた施行令4条1項の19号です。

施行令4条1項を開く

保健師助産師看護師法第五条に規定する業務(病院等、助産所、オンライン診療受診施設、介護老人保健施設、介護医療院及び居宅において行われるもの(介護保険法第八条第三項に規定する訪問入浴介護及び同法第八条の二第二項に規定する介護予防訪問入浴介護に係るものを除き、オンライン診療受診施設においては、オンライン診療に係るものに限る。)を除く。)

特別養護老人ホームやデイサービスでの1日だけの看護の仕事は、この19号の範囲です。19号が挙げているのは保健師助産師看護師法5条の業務で、2条1項4号のように6条(准看護師)の名前は並んでいません。准看護師として30日以内の派遣を考えるなら、派遣会社か都道府県労働局に扱いを確かめます。年齢や収入などの人の側の例外(施行令4条2項)もあります。

病院で働きたいなら、派遣か紹介かを分けて考える

派遣の求人を見たら、派遣会社に次の3つを聞きます。1つめは、働く施設の種類です(病院・診療所か、介護保険のどの施設か)。2つめは、病院等なら3つの例外のどれに当たるのか、3つめは派遣の期間が30日を超えるかです。例外に当たらない病院での看護の派遣は、受け入れる病院の側も労働者派遣法4条3項に反します。

病院で直接雇われたいなら、職業紹介(転職エージェント)を使って雇用契約を結ぶか、紹介予定派遣で働き始める形になります。どちらの会社を使うにも、厚生労働大臣の許可が要ります。許可番号は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで照合できます。看護師の派遣を扱う会社が病院での派遣をどの形で案内しているかは、看護師の派遣会社4社を比較で確かめています。手順と、看護師向けの3社を含む10社の結果は転職サイトの許可番号の調べ方にあります。

許可は事業をしてよいという事実で、紹介される職場の条件までは保証しません。病院に払う紹介手数料と求職者の負担の関係は紹介会社の手数料は誰が払うかに、薬剤師の場合の違いは薬剤師の派遣は禁止?にまとめています。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
6件
出典
4件(法令 4)
公開

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

出典