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薬剤師の派遣は禁止?禁じられているのは病院での調剤だけ

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2026/9/25公開

薬剤師の派遣が、すべて禁じられているわけではありません。禁じられているのは、病院・診療所と介護医療院で調剤をする仕事への派遣です。調剤薬局で働く派遣は、この禁止の列挙に入っていません。

禁止は「病院等での調剤」に限られている

薬剤師の業務のうち派遣が禁じられているのは、病院等(病院と診療所)と介護医療院での調剤だけです。場所と業務の両方がそろったときに禁止になります。

もとになるのは労働者派遣法4条1項で、派遣してはいけない業務を号に分けて並べています。

何人も、次の各号のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行つてはならない。

医療の仕事は、4条1項3号の「政令で定める業務」に入ります。その政令(労働者派遣法施行令)の2条1項3号が、薬剤師の業務を次のように書いています。

薬剤師法(昭和三十五年法律第百四十六号)第十九条に規定する調剤の業務(病院等又は介護医療院において行われるものに限る。)

大事なのは、かっこの中の「限る」です。調剤の業務のうち、病院等か介護医療院で行うものだけが禁止の対象になります。薬剤師法19条は、薬剤師でない人が販売や授与のために調剤することを原則として禁じている条です。

調剤薬局は「病院等」に入らない

調剤薬局は、この条文の「病院等」ではありません。施行令2条1項1号は、「病院等」を医療法の病院と診療所の意味で使っています(施設の中にある一部の診療所は除かれます)。

医療法の側でも、薬局は病院や診療所とは別の施設です。医療法1条の2第2項は、医療を提供する施設として「病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局」を分けて並べています。そのため、調剤薬局で調剤をする派遣は、4条1項3号の禁止に当たりません。ドラッグストアでも、禁止の対象は病院等と介護医療院での調剤なので、この号には当たりません。

介護医療院は、介護の施設ですが禁止の場所に入っています。介護老人保健施設(老健)は、3号の場所には入っていません。3号は「病院等又は介護医療院」だけを挙げていて、老健の名前は出てきません。施設の名前が似ているので、どの種類の施設かを確かめてから判断します。

受け入れる病院の側も禁じられている(4条3項)

禁止がかかるのは派遣会社だけではありません。病院が派遣された薬剤師に調剤をさせることも、労働者派遣法4条3項で禁じられています。

労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に当該労働者派遣に係る派遣労働者を第一項各号のいずれかに該当する業務に従事させてはならない。

「第一項各号」には、さきほどの3号が入ります。病院から派遣で来てほしいと言われたときは、次の例外に当たるかを先に確かめます。

病院で派遣として働ける例外

病院等での調剤でも、次のどれかに当たれば派遣が認められます。施行令2条1項の柱書(号の前の本文)が、禁止から外しています。

  • 紹介予定派遣(病院に直接雇われることを予定した派遣)
  • 病院の職員が産前産後休業・育児休業・介護休業などで休むときの代わり(労働者派遣法40条の2第1項4号・5号)
  • 働く場所がへき地にある場合

へき地は、離島や過疎地域などを含む市町村として厚生労働省令で決められています(施行令2条2項)。3号の調剤は、このへき地の例外の対象に入っています。柱書の原文は長いので、看護師の場合と合わせて看護師の派遣が禁止される場所と例外で読めるようにしました。紹介予定派遣の期間や面接のきまりは、紹介予定派遣とはにまとめています。

30日以内の単発の派遣は、原則できない

薬局への派遣でも、30日以内の短い派遣(日雇派遣)は原則として禁じられています(労働者派遣法35条の4第1項)。例外になる業務は施行令4条1項に19の号で並んでいますが、確認した範囲では薬剤師の業務はその中にありません。

例外は、働く人の側の条件でも認められます。施行令4条2項が挙げているのは、60歳以上の人、学生(定時制の課程などを除く)、本人と世帯の収入が厚生労働省令で定める額以上の人です。単発の派遣の求人を見たら、期間が30日を超えているか、自分がこの条件に当たるかを確かめます。収入の条件の額と数え方は薬剤師の単発派遣は誰ができるかで確かめています。

派遣会社5社の許可番号を照合した

派遣の事業をするには、厚生労働大臣の許可が要ります。根拠は労働者派遣法5条1項です。

労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

薬剤師の派遣を扱う会社から5社を選び、会社のサイトに出ている派遣の許可番号を、厚生労働省の人材サービス総合サイトの「労働者派遣事業」の検索で引きました。5社とも、番号で引くとサイトと同じ会社の名前が出ました(令和8年9月1日現在の情報。2026年9月25日に検索)。

サービス運営会社派遣の許可番号
ファル・メイト株式会社ファル・メイト派27-300161
お仕事ラボ株式会社AXIS派13-306282
ヤクジョブクラシス株式会社派13-010613
ファルマスタッフ株式会社メディカルリソース派13-010770
アポプラス薬剤師アポプラスキャリア株式会社派13-315001

5社とも、同じ会社が職業紹介(転職の仲介)の許可も持っていて、サイトには両方の番号が並んでいました。派遣の番号は「派」の字で始まり、職業紹介の番号は「13-ユ-」のように間に「ユ」が入る形です。許可は派遣の事業をしてよいという事実で、紹介される職場の条件や、担当者の対応までは分かりません。番号の調べ方と、看護師・リハビリ職も含めた10社の結果は転職サイトの許可番号の調べ方に載せています。正社員・パート・派遣のどれを扱うかは、薬剤師の転職サイト7社を比較に並べました。

派遣で働く前に確かめること

働く場所が病院等か介護医療院なら、紹介予定派遣・休む人の代わり・へき地のどれかに当たるかを、派遣会社に確かめます。どれにも当たらないなら、その場所で調剤をする派遣は禁止の対象です。調剤薬局なら4条1項3号の禁止には当たりませんが、30日以内の派遣は別に日雇派遣のきまりがかかります。

病院に直接雇われて転職するなら、派遣ではなく職業紹介を使う形になります。その場合に紹介会社へ払う手数料が求職者に無い理由は、紹介会社の手数料は誰が払うかで条文から確かめています。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
4件
出典
2件(法令 2)
公開

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

紹介した会社の許可番号

サービス運営会社許可の確認費用
ファル・メイト株式会社ファル・メイト職業紹介:人材サービス総合サイトで照合
27-ユ-300093
派遣:派27-300161
記載なし(理由は下)
お仕事ラボ株式会社AXIS職業紹介:人材サービス総合サイトで照合
13-ユ-307575
派遣:派13-306282
記載なし(理由は下)
ヤクジョブクラシス株式会社職業紹介:人材サービス総合サイトで照合
13-ユ-010302
派遣:派13-010613
記載なし(理由は下)
ファルマスタッフ株式会社メディカルリソース職業紹介:人材サービス総合サイトで照合
13-ユ-010743
派遣:派13-010770
記載なし(理由は下)
アポプラス薬剤師アポプラスキャリア株式会社職業紹介:人材サービス総合サイトで照合
13-ユ-312454
派遣:派13-315001
記載なし(理由は下)
ファル・メイト
会社概要のページの「許認可番号」の欄に【派遣業】派27-300161 と【紹介業】27-ユ-300093 が並び、事業内容は「薬剤師の紹介・派遣事業」です。厚生労働省の人材サービス総合サイトの労働者派遣事業の検索で派27-300161を引くと、事業主名称は株式会社ファル・メイト、許可年月日は平成16年11月01日でした(令和8年9月1日現在の情報。2026年9月25日に検索)。職業紹介の 27-ユ-300093 も、職業紹介事業の検索で同じ事業主名称・同じ許可年月日でした。 この記事は派遣の許可番号を照合したもので、費用は比べていません。
お仕事ラボ
運営会社のページに「株式会社AXIS(お仕事ラボ運営)」とあり、労働者派遣事業の許可番号 派13-306282 と有料職業紹介事業の許可番号 13-ユ-307575 が出ています。人材サービス総合サイトの労働者派遣事業の検索で派13-306282を引くと、事業主名称は株式会社AXIS、許可年月日は平成28年02月01日でした(令和8年9月1日現在の情報。2026年9月25日に検索)。職業紹介の 13-ユ-307575 も、職業紹介事業の検索で同じ事業主名称・同じ許可年月日でした。 この記事は派遣の許可番号を照合したもので、費用は比べていません。
ヤクジョブ
会社概要のページの事業免許の欄に【紹介業】13-ユ-010302 と【派遣業】派13-010613 が並んでいます。人材サービス総合サイトの労働者派遣事業の検索で派13-010613を引くと、事業主名称はクラシス株式会社、許可年月日は平成09年12月01日でした(令和8年9月1日現在の情報。2026年9月25日に検索)。職業紹介の 13-ユ-010302 も、職業紹介事業の検索で同じ事業主名称でした(許可年月日は平成10年01月01日)。 この記事は派遣の許可番号を照合したもので、費用は比べていません。
ファルマスタッフ
運営会社のページの事業免許の欄に【紹介業】13-ユ-010743 と【派遣業】派 13-010770 が並び、事業内容は「医療業界専門の有料職業紹介・労働者派遣事業(薬剤師・医師・登録販売者)」です。人材サービス総合サイトの労働者派遣事業の検索で派13-010770を引くと、事業主名称は株式会社メディカルリソース、許可年月日は平成12年07月01日でした(令和8年9月1日現在の情報。2026年9月25日に検索)。職業紹介の 13-ユ-010743 も、職業紹介事業の検索で同じ事業主名称でした(許可年月日は平成14年06月01日)。 この記事は派遣の許可番号を照合したもので、費用は比べていません。
アポプラス薬剤師
会社案内のページの許認可等の欄に、有料職業紹介事業 13-ユ-312454 と一般労働者派遣事業 派13-315001 が並んでいます。人材サービス総合サイトの労働者派遣事業の検索で派13-315001を引くと、事業主名称はアポプラスキャリア株式会社、許可年月日は令和02年10月01日でした(令和8年9月1日現在の情報。2026年9月25日に検索)。職業紹介の 13-ユ-312454 も、職業紹介事業の検索で同じ事業主名称・同じ許可年月日でした。 この記事は派遣の許可番号を照合したもので、費用は比べていません。

費用は、求職者が払うものとして各社の公式サイトに税込の金額が文章で明示されているものだけを掲載しています。

「許可の確認」は、各社の公式サイトに出ている許可番号を、厚生労働省の人材サービス総合サイト (職業紹介事業・労働者派遣事業の検索)で引き、事業主の名前が一致したかどうかを書いたものです。 許可は事業を営んでよいという事実で、紹介の質を保証するものではありません。 サイトで番号が見つからないことは、許可が無いことを意味しません。

出典