医療職の転職を確かめる

看護師の紹介会社の手数料は誰が払う?求職者からは取れない

本サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。

2026/9/25公開

看護師や薬剤師が転職エージェント(紹介会社)を使っても、紹介の手数料を払うのは、雇う病院や薬局の側です。紹介会社が求職者から手数料を取ることは、職業安定法で原則として禁じられています。例外は条文に並ぶ5つの職業だけで、看護師・薬剤師などの資格の名前はそこにありません。

求職者から手数料を取るのは、原則として禁止

紹介会社(法律の言葉では有料職業紹介事業者)は、求職者から手数料を取ってはいけません。面談や求人の紹介、面接の日程の調整を受けても、求職者が払うものはありません。

根拠は職業安定法32条の3第2項です。

職業安定法32条の3第2項を開く

有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。ただし、手数料を求職者から徴収することが当該求職者の利益のために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、同項各号に掲げる場合に限り、手数料を徴収することができる。

「前項の規定にかかわらず」とあるので、1項で認められた手数料でも、相手が求職者なら取れません。1項が認めている手数料は、厚生労働省令で決まった種類と額の手数料か、厚生労働大臣に届け出た手数料表にもとづく手数料です。どちらも、ふつうは雇う側から受け取るものです。

例外は、職業安定法施行規則20条2項の職業だけ

求職者から取れる例外は、芸能家・モデルの職業と、科学技術者・経営管理者・熟練技能者の職業に紹介した場合だけです。後の3つは、就いた職業の賃金が厚生労働大臣の定める額を超える場合に限られます。

例外を決めているのは、職業安定法施行規則20条2項です。

職業安定法施行規則20条2項を開く

法第三十二条の三第二項の厚生労働省令で定めるときは、芸能家(放送番組(広告放送を含む。)、映画、寄席、劇場等において音楽、演芸その他の芸能の提供を行う者)若しくはモデル(商品展示等のため、ファッションショーその他の催事に出席し、若しくは新聞、雑誌等に用いられる写真等の制作の題材となる者又は絵画、彫刻その他の美術品の創作の題材となる者)の職業に紹介した求職者又は科学技術者(高度の科学的、専門的な知識及び手段を応用し、研究を行い、又は生産その他の事業活動に関する技術的事項の企画、管理、指導等を行う者)、経営管理者(会社その他の団体の経営に関する高度の専門的知識及び経験を有し、会社その他の団体の経営のための管理的職務を行う者)若しくは熟練技能者(職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第四十四条第一項に規定する技能検定のうち特級若しくは一級の技能検定に合格した者が有する技能又はこれに相当する技能を有し、生産その他の事業活動において当該技能を活用した業務を行う者)の職業に紹介した求職者(当該紹介により就いた職業の賃金の額が厚生労働大臣の定める額を超える者に限る。)から、就職後六箇月以内に支払われた賃金の百分の十一(免税事業者にあつては、百分の十・三)に相当する額以下の手数料を徴収するときとする。

条文が挙げているのは5つの職業で、看護師・薬剤師・理学療法士などの資格の名前は出てきません。取れる額にも上限があり、就職後6か月以内に払われた賃金の100分の11(免税事業者は100分の10.3)以下です。登録のときや内定のあとで手数料を求められたら、この5つのどれに当たるのかを紹介会社に確かめます。納得できる答えが無いときの相談先として、都道府県労働局の需給調整事業の担当の部署があります。

病院が払う手数料の例:ナースではたらこ

紹介会社は、雇う側に払ってもらう手数料を自分で決めて示しています。ディップ株式会社の看護師向けの「ナースではたらこ」の例です。採用する病院向けのページで、看護職の標準的な手数料を30%としています。

30%の元になる金額は、同じページで次のように説明されています。

当該求職者の就職後1年間に支払われる想定賃金を元に算出します

同じページには、地域や採用の難しさによって個別に決めていることと、手数料に消費税が含まれていないことも書かれています。ナースではたらこの場合、看護師が1人雇われると、病院が手数料を払います。元になるのは、その人の1年分の見込みの賃金です。求職者の給料から差し引かれるものではありません。

各社が手数料の情報を公開しているかは、厚生労働省の人材サービス総合サイトの検索結果にある「手数料」の欄でも確かめられます。薬剤師・看護師・リハビリ職向けの10社を引いた結果は転職サイトの許可番号の調べ方に載せています。

紹介会社が守ること:お祝い金と、転職の勧誘

紹介会社は、ふつう考えられる程度を超えるお祝い金で登録を勧めることを禁じられています。紹介で就職した人に、2年間は転職を勧めないことも決まっています。2025年1月1日からは、新しく受ける許可と更新する許可に、条件としても付くようになりました。

厚生労働省のリーフレットが、追加された許可の条件の内容を次の2つで示しています。

その紹介により就職した者(期間の定めのない労働契約を締結した者に限る。)に対し、当該就職した日から2年間、転職の勧奨を行ってはならないこと。

求職の申込みの勧奨については、お祝い金その他これに類する名目で社会通念上相当と認められる程度を超えて求職者に金銭等を提供することによって行ってはならないこと。

1つめの対象は、期間の定めのない契約(いわゆる正社員など)で就職した人です。紹介会社が、紹介した人に就職した日から2年のあいだに別の転職を勧めることは、この条件に反します。2つめは、「登録したら◯万円」のように、ふつう考えられる程度を超えるお金や物で登録を誘うことを禁じています。お祝い金をうたう転職サイトを見たら、許可番号と運営会社を確かめてから登録を考えます。

求人サイトも、応募した人からお金は取れない

求人の情報を載せる求人サイトも、会員登録して経歴を入れる形のものは、応募した人から報酬を受け取れません。こちらは紹介会社とは別の条文で決まっています。

職業安定法43条の3です。

特定募集情報等提供事業者は、その行つた募集情報等提供に係る労働者の募集に応じた労働者から、当該募集情報等提供に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはならない。

特定募集情報等提供は、働こうとする人の情報を集めて行う求人情報の提供のことです(職業安定法4条7項)。この事業をするには、厚生労働大臣への届出が要ります(職業安定法43条の2第1項)。紹介会社の32条の3第2項には芸能家などの例外がありましたが、43条の3には例外の定めがありません。スカウトを受ける形の求人サイトで「紹介」まで受けたときは、相手が職業紹介の許可を持っているかを、許可番号で確かめます。

派遣・紹介予定派遣のときの手数料

紹介予定派遣で派遣先の病院に直接雇われるときも、職業紹介の手数料を求職者から取れないのは同じです。紹介予定派遣のきまりは看護師の紹介予定派遣とはにまとめています。派遣で働いているあいだの給料は、派遣会社から払われます。

派遣で働く場合は、手数料より先に、その職場が派遣の禁止に当たらないかを確かめます。病院での看護や調剤は派遣が原則として禁じられています(看護師の派遣が禁止される場所と例外・薬剤師の派遣は禁止?)。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
6件
出典
4件(法令 2)
公開

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

出典