薬剤師の単発派遣は誰ができる?60歳以上など4つの条件
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薬剤師が30日以内の単発の派遣で働けるのは、働く人が4つの条件のどれかに当たるときだけです。60歳以上、昼間の学生、本人の年収が500万円以上、世帯の年収が500万円以上で主に家族の収入で暮らしている、のどれかです。病院・診療所と介護医療院での調剤は、この条件に当たっても、単発の派遣の禁止とは別に派遣が禁じられています。
30日以内の派遣は、原則として禁止
1日だけ、数日だけといった30日以内の派遣(日雇派遣)は、原則として禁じられています。単発派遣は、この日雇派遣のことです。
根拠は労働者派遣法35条の4第1項です。日雇労働者を「日々又は三十日以内の期間を定めて雇用する労働者」と決め、政令で定める業務と場合のほかは派遣を禁じています。
労働者派遣法35条の4第1項を開く
派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は三十日以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。以下この項において同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合その他の場合で政令で定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行つてはならない。
例外は2種類あります。1つは業務の側の例外で、もう1つは働く人の側の例外です。30日を数えるのは、働いた日数ではなく、派遣会社と結ぶ雇用契約の期間です。
薬剤師の業務は、業務の例外に入っていない
業務の側の例外は、労働者派遣法施行令4条1項が19の号で並べています。通訳・翻訳、秘書、財務の書類の作成などで、確かめた範囲では、薬剤師の調剤の業務はどの号にもありません。
医療の仕事で入っているのは、19号の看護師の業務(病院等・介護老人保健施設・利用者の自宅などを除く)だけです。看護師の単発の扱いは看護師の派遣が禁止される場所と例外で確かめています。薬剤師が単発で派遣として働けるかは、次の働く人の側の条件だけで決まります。
働けるのは、4つの条件のどれかに当たる人
働く人の側の例外は、施行令4条2項が3つの号で決めています。派遣会社のページが「4要件」と書くのは、3号の収入の条件が、本人の収入と世帯の収入の2通りに分かれているからです。
1つめは、60歳以上であることです。施行令4条2項1号です。
当該日雇労働者が六十歳以上の者である場合
2つめは、学生・生徒であることです。施行令4条2項2号で、定時制の課程に通う人などは除かれています。
施行令4条2項2号を開く
当該日雇労働者が学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条、第百二十四条又は第百三十四条第一項の学校の学生又は生徒(同法第四条第一項に規定する定時制の課程に在学する者その他厚生労働省令で定める者を除く。)である場合
除かれる「厚生労働省令で定める者」は、施行規則28条の2にあります。休学中の人と、卒業したあとも同じ職場で雇われ続けることになっている卒業予定の人などです。派遣会社のページは、この条件を「昼間学生」と呼ぶことがあります。ヤクジョブの単発派遣の案内ページは、夜間・定時制・通信制の課程の人を除くと説明しています。薬剤師の免許を持つ人で当てはまるのは、たとえば大学院に通う人です。
3つめは、収入が一定の額以上であることです。施行令4条2項3号です。
当該日雇労働者及びその属する世帯の他の世帯員について厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が厚生労働省令で定める額以上である場合
収入の条件は500万円で、本人か世帯かの2通り
収入の条件の額は500万円です。数え方は、本人の1年分の収入で見るか、本人と家族の収入を合わせて見るかの2通りあります。
額を決めているのは施行規則28条の3第2項です。
令第四条第二項第三号の厚生労働省令で定める額は、五百万円とする。
本人の収入で見るときは、本人の1年分の賃金その他の収入が500万円以上かどうかです(施行規則28条の3第1項1号)。家族の収入と合わせて見られるのは、主に配偶者などの収入で暮らしている人だけです。施行規則28条の3第1項2号です。
施行規則28条の3第1項2号を開く
日雇労働者(主として生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他の親族(以下この号において「配偶者等」という。)の収入により生計を維持する者に限る。)及び当該日雇労働者と生計を一にする配偶者等の一年分の賃金その他の収入の額を合算した額
派遣会社のページでは、本人の条件を、本業の年収が500万円以上で副業として働く人と説明していることがあります。世帯の条件は、世帯の主な稼ぎ手ではない人という説明です。条文の言葉とは違うので、自分がどちらで数えられるかは、登録するときに派遣会社に確かめます。ヤクジョブの単発派遣の案内ページは、年齢・学生証・収入を確認できる書類を見せるよう求めています。
薬局に直接雇われる1日だけの仕事は、派遣ではない
4つの条件に当たらなくても、薬局に直接雇われる1日だけのアルバイトは、派遣ではないので日雇派遣の禁止の対象になりません。35条の4第1項が禁じているのは、派遣会社が日雇労働者を派遣することです。
同じ「単発」の求人でも、雇用契約を結ぶ相手が派遣会社なら派遣、薬局なら直接雇用です。派遣でも仕事の指示は薬局から受けるので、指示を出す相手では見分けられません。求人を見たら、雇い主の欄にどの会社の名前があるかを確かめます。
派遣会社の側にも決まりがあります。施行令4条2項の柱書は、4つの条件とあわせて、派遣会社が雇用の管理に必要な措置をとっていることを求めています。日雇労働者の安全や衛生を守るための措置などです。
病院での調剤は、条件に当たっても禁止のまま
4つの条件は、30日以内の派遣の禁止を外すだけです。病院・診療所と介護医療院での調剤は、施行令2条1項3号が別に派遣を禁じていて、この禁止は外れません。病院等で派遣として働けるのは、紹介予定派遣・休む職員の代わり・へき地のどれかに当たるときです(薬剤師の派遣は禁止?)。
単発の求人を見たら、働く場所が調剤薬局かどうか、契約の期間が30日以内かどうか、自分が4つのどれに当たるかを確かめます。単発派遣を案内している会社と、ほかの働き方の扱いは薬剤師の転職サイト7社を比較に並べています。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 6件
- 出典
- 3件(法令 3)
- 公開
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